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今年はグリーグ没後100年のグリーグイヤーです。これを記念して、
全音楽譜出版社さんから、グリーグの《ペールギュント組曲》 第1番・第2番の
ピアノ・ソロ版が発売される事が決定し、楽譜の校訂・解説をさせて頂きました!!

7月15日の発売にあたり、全国の楽器店さんで配布されるレッスン・プラス・ワンにも一面で取り上げて頂く事ができましたぁ!!(ヤッタァ〜!ヤッタァ〜!)宜しければこちらの記事もご覧頂けたら幸いです。

ペール・ギュントのメロディは、誰もが一度は聞いた事があると思います。
CMやBGMで、特に今年は良く耳にします。
有名な「朝」は、最近携帯のCMでも流れていましたね。

その他、「アニトラの踊り」「ソルヴェイグの歌」「山の魔王の宮殿にて」はじめ、きっとどこかで聴いた事があるものばかりだと思います。

名曲揃いの《ペール・ギュント組曲》が、今回はピアノ独奏版としての発売となりました。
気軽にレッスンや、発表会でお楽しみ頂ける実用的な楽譜となっております。

特に注目して頂きたいのが、この度特別に収録された「山の魔王の娘の踊り」です。

《ペール・ギュント組曲》として、現在この曲が一緒に掲載されているのは・・・恐らく世界でも、この全音版だけだと思うのですが・・・これは、今回自筆譜から紐解かれ、掘り起こされた珍しい知られざる《ペール・ギュント組曲》なのです。

たったの2ヶ月間、初版のみ掲載され、その後グリーグ自ら削除してしまったこの「山の魔王の娘の踊り」。削除されたものの、実は、グリーグはこの曲には随分こだわりがあったようです。

そんな名曲がここに復活!初級〜中級程度の方々に大変適した、楽しくも珍しいメロディです。

・ ・・と、そんな曲の説明の前に・・・

そもそも、ペール・ギュントって何?と思われる方も多いと思います。

ペール・ギュントとは、人の名前。ノルウェーの作家、ヘンリック・イプセンによって書かれたノルウェー人「ペール」の物語のタイトルです。

大法螺ふきで、仕事もせずに喧嘩ばかり。王になる、皇帝になる・・・そんな事ばかり夢見る自信家で、自分勝手で我儘な好色家。そんなロクデナシの青年ペールは、一生を冒険に費やします。
一人の愛する女性をノルウェーに残して・・・。そんなペールの一生から見える人間の生き方、自分自身とは何か?という問いかけと共に、壮大で夢のようなペールの冒険が綴られた名作。それが《ペール・ギュント》 なのです。

この物語を書いたイプセンは、生涯で全26作品もの劇詞を執筆したノルウェーが誇る大作家ですが、彼の作品は現在、全世界でシェークスピアに次ぐ上演回数を誇る事で知られています。

《ペール・ギュント》は、グリーグの音楽のイメージが大変強いですが、まずイプセンの劇詩の出版に始まります。《ペール・ギュント》を発表した時、イプセンは既に北欧中に知られる人気作家となっていたので、この本も当時大変な売り上げを誇りました。

既に「劇詩本」として有名になった《ペール・ギュント》ですが、イプセンは最初《ペール・ギュント》を劇場で上演しようとは考えていませんでした。
あまりに壮大な物語の為、舞台装置が難しく、あえて上演すると滑稽になってしまうのではないか、と危惧したからだそうです。
しかし、数年後、この作品に音楽を付けて上演出来ないだろうか・・・?と考えを変えたのです。

そこでイプセンは、当時新進気鋭の作曲家として注目を浴びていたグリーグに、曲をつけてくれないか?と依頼したのです。

グリーグはすぐにOKし、早速作曲に取り掛かりました。
これが、あの美しく壮大な音楽付きの戯曲ペール・ギュント(作品23)の誕生なのです。

この、全5幕の戯曲は、初演から人々を熱狂させました。
そして、グリーグとイプセンの名はこの作品と共に一躍世界中で有名になったのです。

グリーグは後に、この戯曲から当時最も人気のあったものを選び、4曲づつの組曲としてまとめました。これが、有名な 《ペール・ギュント組曲 第1番・第2番》 なのです。
今回楽譜では、ペール・ギュント物語の詳しいあらすじや、どんな場面での曲なのか、又ペール・ギュントが出来るまでの詳しい経緯等も詳しく解説させて頂いております。

この他、グリーグの家であるノルウェーの「トロルドハウゲン博物館」や、ノルウェー王国大使館にもご協力頂き、様々な貴重な資料や文献をご提供頂き、珍しい写真や、ノルウェーの画家キッテルセンの絵、自筆譜をふんだんに盛り込んだ、充実した楽譜になっております。
(全音さんの熱意ある担当者様のお陰です。渡邊裕子さん!!ありがとうございましたっ!)


《ペール・ギュント組曲》ピアノ独奏版は、主に中級程度の学習者の方々から楽しめるものになっております。
グリーグの何より有名なメロディと、壮大な物語が垣間見られる、音楽性の高い楽曲は、
普段のレッスン使いに、又発表会の新しいレパートリーに最適な教材であると信じております。

グリーグの特徴とも言える叙情性も、この《ペール・ギュント組曲》には、もちろんふんだんに取り込まれています。しかし、それだけではないオーケストラを彷彿とさせるようなスケールの大きさ、激しさを持つ曲もあり、指の強化や腕の使い方等技術的な欠点を見直すにも、大変実用的に使用できるものとなっております。

グリーグの記念イヤーに、有名なペール・ギュント組曲を!
是非皆様のレッスンに取り入れてみてが如何でしょうか?

まずは是非全国の楽器店にてご覧下さい!!

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