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グリーグは山に行ったり、トロルドハウゲンに面する川(海から流れる水なので、川と言っても海水です)で魚釣りをするのが好きでした。山に行った時にはしばしばイェンディーネ・スローリエンという山のおばあさんを訪ねたそうです。彼女は牛や羊の世話をする乳しぼりの女性で、歌が大変上手でした。彼女の歌う牛追いの歌や伝承的な子守歌はグリーグにインスピレーションを与え、そのメロディを書き留め曲にしたものもあります。作品66「イェンディーネの子守歌」もその一つです。 ノルウェーの自然を愛し、人々を愛したグリーグ。そして彼の音楽も又、ノルウェーの自然から生まれ、大自然に生活する人々の中から生まれ、人々に根付く物語から生まれたのです。 「民族主義」この一言の深さが、グリーグの作品を通して少しだけわかった気が致します。根強く深いノルウェーの「血」。バルトークやヴィラ・ロボスのように熱く強烈ではありませんが、ノルウェーの大自然のような、静かで穏やかな民族主義の「心」が響くようなグリーグの音楽。 つたない文章で上手にお伝え出来ずもどかしい限りですが、静かな精神に溢れる 「民族音楽」がグリーグの特徴なのではないでしょうか。グリーグの大曲であるピアノ・コンツェルトやペール・ギュント、ノルウェー舞曲には、もちろんたぎるような熱い「血」が感じられます。しかし、小さな短い作品の中でこそ輝くノルウェーの美しい和音やメロディを取り入れたグリーグ。作品を知るほどに魅力を増していきます。 |
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